しふぉん・けーき
だけど―――

「うん。確かにつりあわないかもしれない。
でも、私は釣り合わなくても真君が一番好きなの。
神沢君も他の誰かでもなくて、真君に恋しているの。
だから、これは神沢さんのお願いは聞けないの。ごめんなさい」

私は、真君の手をとって言いのけた。

「でもね、そんなに長い間好きだったのなら、私達気が合うね」

「は?何やそれ」

「だって、同じ人が好きなんでしょ?
こうしてはっきりと私に自分の気持ちをぶつけてくれて嬉しかったよ。
だからね、一緒に共有しようよ。
私の知らない真君を聞きたいし、たくさん真君のこと話したい。
だから、これから私たちはお友達。ね?」

と私は神沢さんに手を差し伸べた。

「なつき・・・」

「なつきちゃん・・・
あ、あんた、アホなんとちゃうか?」

「うん。否定しない」

「私、なつきちゃんの彼氏を取ろうとしててんで」

「うん。でも、それも好きだからでしょ?」

私はそんな神沢さんを受け入れることにする。
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