しふぉん・けーき
その日の放課後、俺は事務所の中にいた。

「失礼。
真、正体が分かったで!!」

と奈穂と涙が事務所に入った。

「誰だ」

「野村宏。16歳。
我が組織と対面している組織のボスや」

野村 宏―――

小さい頃からの因縁の人物。

一度、銃の乱闘戦を繰り広げ、引き分けとなった。

「そいつがなぜ、この組織の中に来たんや?」

「さぁな」

「それにや。何でなつきちゃんを攫ったんや?
なつきちゃんがこの組織の一員やって分かってたん?」

俺も最初はそう思った。

大抵新人の存在を知るのは半年~1年ほど。

なつきがこの組織に来たのはおよそ2ヶ月ほど前―――

奴になつきの存在を知るはずがない。

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