しふぉん・けーき
―――バンっ!!

という音が部屋の中を響いた。

見ると、コンクリート製のドアが真ん中だけ凹んだまま倒され、チェーンロックもブチ壊されたまま・・・

そこに立っていた一つの人影をみたとき、私は嬉しさと希望に満ち溢れていた。

そう。この世で一番大好きで、一番会いたかった人が目の前に立っていたのだ。

「テメェら・・・死にたくなかったら今すぐこいつの手から離れろ」

真君が助けに来てくれた。

しかし、何が起こったか分からない周りの人達は硬直したまま。

「そうか。残念だな。
手を離せば命だけは助けてやろうと思っていたんだけど」

と真君は近くにあった丸いお盆を男性達に投げる。

それがまた見事に彼らの脳天に命中した。

次々と倒れていく部下たち。

「なっちゃん!!」

と、真君はすぐさま私に駆け寄りぎゅっと強く抱きしめてくれた。

あぁ、真君の香りが私を包んでくれる。

「よかった・・・無事で・・・」

安堵の息が私の耳にくすぐる。

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