しふぉん・けーき
「そうか。じゃあ・・・」

と、野村君は無事な方の手に銃を持ち出す。

「お互い最後の勝負といこうか」

「・・・あぁ。
楽しみだな」

真君の手の震えは治まり、強く私を自分の方に引き寄せる。

私も真君の腰に手をまわし、強く抱きしめた。

真君は少し驚いた顔をしていたが、ふっと微笑み私の耳元で「大丈夫。これが終わったら一緒に大の作ったシフォンケーキを食べよう」と囁いてくれた。

私は大きく首を縦に振る。

早く、終わらせたい。

私はただそう願った。
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