しふぉん・けーき
「最近、物騒になってきたね~」

といきなり、真君が言い出した。

しかも、真君に似合わない一言。

「は、はぁ・・・」

「例えばさ・・・ストーカー・・・とか?」

『ストーカー』の声がどことなく低く、目が妖艶に光っている。

何だか、見透かれているみたい。

「は、はぁ・・・」

「なっちゃんも、そんな経験ない?」

「私は・・・ない・・・かな?」

「ほんとに?
なっちゃん、可愛いからすぐ狙われそう・・・」

なんてことを・・・

「うーん(゜-゜)
例えばなんだけどさ、いきなり宛先不明で、そのメールの本文が『お前のことを見てる』みたいなメール来たことない?
それか、男子と一緒に並んで歩いているといきなりメールが届いて『隣に歩いている男は誰だ?』とか『お前は俺だけのものだ』とかかなりいた~い、メールとか来たことはない?」

ほんさっきまでのメールの内容・・・

「僕もね、この前あったんだ。
多分、女の子からなんだろうけどね?
『私、あなたとなきゃ生きていけない』なんて言われちゃって困っちゃったんだ。
だって、僕、結構モテるでしょ?」

自分で自分のことモテるとか言えちゃうんだ・・・

ある意味、すごいと思う・・・

「もし、心当たりがあるなら僕でもいいから一緒に帰った方がいいよ」

確かに、そうかもしれない・・・

「では、お願いします」

ここまで見透かれちゃったら、もう隠すのは無理だ。

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