しふぉん・けーき
テキパキと作り、あっという間に出来上がった様子。

「はい、できたよ~!!」

と、お盆におかゆが入ったお鍋に茶碗とレンゲと、お水が入ったコップを持って現れた。

「よいしょ・・・
じゃあ・・・」

と、真君はレンゲである程度茶碗にのせ、レンゲですくい、それをふぅふぅと息を吹きかける。

そして―――

「はい、あーん♥」

と私の口元にもってくる。

「!!
いや、いいよ。自分で食べられるし・・・」

「僕が食べさせてあげるの!!
はい、早く口を開けて!!」

「いや・・・だから・・・」

「もうっ!僕が食べさせてあげるんだから言う事を聞きなさい」

と、かわいい母犬のよう。

「じゃあ、なっちゃんは無理やりでもお口をこじ開けさせた方が食べやすいの?」

いや、そういうことじゃない!!

「僕、知らなかったな~。
それなら、早く言ってくれればいいのに~。なっちゃんって素直じゃないね」

いや、だから!!

というのもつかの間・・・

「はい、あーん♥」

満面の笑顔で片手でレンゲを口元へ持っていき、もう片手で私の口をこじ開けた。

「わ、わかった!!
ちゃんと、真君に甘えるから、普通に食べさせてくださいっ!!」

「あ、そう?
ではでは、改めて・・・あーん♥」

と、私はそれを口の中に入れる。

「美味しい?」

「うん!美味しい」

梅干し粥だった。

「これで、なっちゃんは明日には元気になりそうだねっ☆」

いや、多分風邪が悪化したかもしれない・・・
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