しふぉん・けーき
夏休みの前の肝試し

クラスの誘い

期末テストが終わったその日の放課後のことである。

「なっちゃん・・・」

と、沈んだ声で話しかけてきたのは、真君だ。

「どうしたの?真君」

「なっちゃんは、肝試しに来ないの・・・?」

「え・・・?
あ、うん」

「何で!?」

と駄々をこねるように聞かれ、正直答えづらかったがそこは我慢して質問にこたえる。

「私が参加しても、みんなが楽しめないでしょ?
せっかくの機会なんだし、みんなには楽しんでほしいもん」

「やだ!!
僕は、なっちゃんにも参加してほしいもん!!」

「へ?」

「なっちゃん!
その日、予定でもあるの!?」

「ううん。別にないけど・・・」

「じゃあ、大丈夫なんだね!?」

と真君は私の筆箱のなかからシャーペンを取り出し、スラスラと私の名前を肝試しの参加者の中に書いていく。

それも、フルネームで・・・
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