拾い恋(もの)は、偶然か?
「へぇ。お前の女のわりには潔癖だな。」
うん。こういう女性を潔癖だと思う最近の風潮はどうかならないものだろうか?男女平等だのなんだのうるさいこの時代、女性だって昔に比べればきちんと自分の仕事を評価されてお給料をいただいている。
それこそ私だって働いて得たお金を祥吾さんとの恋愛に使っているのだから、そんな言われ方をされる筋合いはない。
「……鳴海先輩はそういう言われ方したらブチ切れますよ。」
「は?」
さぞかしこの2人は奢られて当たり前だと思っている奢られ慣れている女性たちと付き合ってきたんだろう。
だけど鳴海先輩や私は違う。しかも鳴海先輩はどっちかといえば……。
「そういうの、大っ嫌いな人ですから。」
「お前。」
ダメな彼氏に奢っちゃうタイプの人だ。それこそ最近まで付き合っていた浮気男の元彼さんも、頼りないところがあってそこがいいと言っていた。
母性本能をくすぐるタイプというんだろうか。男性としてはちょっと大丈夫かな?と思ってしまうような人がタイプだと、本人から聞いた。
その点今苦い表情で私を見ている松田部長は。
「ちょっと違うからなー。」
「なんかむかつくな、お前。」
正反対の、超できるエリート様だ。