拾い恋(もの)は、偶然か?
「結局さー。」
「うん?」
「うまくいってるよね、2人。」
「なんですかその面白くなさそうな顔は。」
仕事終わり、松崎さんと鳴海先輩と一緒に居酒屋へ寄った。翔吾さんは仕事。どうやら帰りは遅いらしい。
3人で集まると共通の話題はなぜか私と翔吾さんのことになる。2人はなにも話さないのに私たちがけがいじられるなんてちょっと理不尽じゃない?
「そういう松崎さんもうまくいってるでしょ。まもくんと。」
「まもくん?」
私の指摘に、松崎さんがビールを噴き出して慌てて口をお手拭きで押さえた。対して鳴海先輩はニヤニヤ顔。何か面白いものを発見したとばかりに松崎さんを見つめながらビールを一口飲んだ。
「まもくん、ねー。」
「ちょ、ちょっと。」
「まもくんなんですよ。」
「そうなの?まもくん!」
松崎さんはあれからまもくんと順調にお付き合いを続けているらしい。どうやら衛、あの日から憑き物が取れてしまったかのように、翔吾さんに執着してアホな行動をとることがなくなったみたい。
浮気性は元々の性分らしく、気を抜いたら女の子に声をかけてしまうらしいけど、そこは松崎さんが今のところ阻止しているようで。