拾い恋(もの)は、偶然か?
アプローチ
「はぁ。」
頭が痛い。二日酔いのこともあるけど、こうして、司馬部長の返信を待ち望んでいる自分がいるからだ。ほら、今もこうして、明日何着て行こうかな?なんてクローゼットをジッと見つめてしまっている。
ほんとに私、冷静になればいいのに。
司馬部長の告白は、どう考えても真剣なものじゃないじゃない。あんな、仕事の合間に資料室でなんて、良くてからかわれているか、あるわけないけど体目当てか、最悪何かの罰ゲームか。
部長クラスでそんな中学生みたいな罰ゲームがあるなんてありえないかな。
「っっ、」
悶々と考えてる内に、着信。飛びついている自分に苦笑いだ。
画面をタップすれば、思った通り部長から。この程度のやり取りでドキドキが止まらない。
[昨日、約束させてもらったんだ。もう一度君に、俺の気持ちを伝えたいから。]
「っっ、」
部長は、狡い。
告白されてからまだ2日しか経っていないのに、私に考える時間をくれない。
会社で、昨日の飲み屋で、こうして、メッセージで。貴方は私を、誘惑し続ける。
このままじゃ、遊びでも罰ゲームでもいいから、なんて、あの人の腕の中に飛び込んでしまいそうだ。