拾い恋(もの)は、偶然か?
敵と味方
---、
「ここ、いい?」
翌日の食堂。部長はどうやら来れないらしく、残念なような安心したような複雑な気分だった。
部長が来ることを意識して、いつもは定食に1品増やすのにうどん、なんて控えめなメニューを頼んだのに。丼物でも追加するかと企んでいた。
決心して、鳴海先輩に一言言って立ち上がった瞬間。
昨日ぶりの美人秘書、松崎さんが来襲。とりあえず。
「いいですよ。でもちょっと待ってください。あ、先輩、かまいませんか?」
「おっけー。」
「あ、座っていてかまいませんよ。」
相変わらずの先輩の軽い返しに頷いて、戸惑う松崎さんをその場に残し、親子丼を買いに行く。
思いの外空いていて、すぐに出てきた親子丼。昨日ぶりだね。
ほんわり笑顔が思わず零れる。
そうして戻った席は。
「「……。」」
まったく会話のない2人が、なぜか睨み合っていた。
「どうしたんですか。」
「別に。」
鳴海先輩がツンとそっぽを向く。それにカチンときた表情を浮かべた松崎さん。私が親子丼を購入している間に、なにがあったのか。