拾い恋(もの)は、偶然か?



「ところで、話ってなんですか?」

「あんた、軽いわね。」



失礼な。顔を顰めた。話があると言ってここに座っているんだから、その話を聞くのは当たり前のことなのに。



「まぁ、こういう、ことよ。」

「は?」


それが分かっているのか、それ以上ツッコんでくることもなく、松崎さんがもごもごと何か言っている。わざと耳に手を添えて聞こえないとばかりにいじめてみた。


だってそれくらいいいじゃない。私だってちょっとだけ、面白くないんだから。


同時に怒りを覚えていた。これだけ大切だったんならなんで、別れちゃったの?って。


だけど、恋なんて人それぞれに事情があるから。これ以上つっこむのは違うと思う。



「だから!昨日は………悪かったわ。」

「え?」


今度は意地悪なんかじゃなく。最後の方はマジで聞こえなかったから。それなのに。


「謝ってるじゃない!」

「えええ!」


めちゃくちゃキレられてしまった。美人はみんな理不尽だ。偏見だけど。


「もう!」


水を飲んだ松崎さんは、それを伸びたうどんの乗ったトレイの上に乱暴に置いた。






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