拾い恋(もの)は、偶然か?
「あんたいいの?彼女でしょ一応。」
「一応は余計です。」
総務課に暇を見つければ来る山崎さんはもはや気にしないことにした。改めて七瀬さんを見てみるとなるほど、ドジっ子が似合いそうだなと思うほどちっこい。
透き通るような白い肌。服のサイズも6号とかじゃない?と大袈裟に言ってしまうほど、体は細く、小さい。
ぷくっとした唇は上品にピンク色。化粧もそれほど濃くなく、自分の顔の活かし方が分かっているようだ。
仕事の面はというと、鳴海先輩とは違い、ややミスが目立つ。だけどこの守ってやりたい的な見た目と彼女の行動で、主に男性社員が鼻の下を伸ばして、彼女の危機を救っていた。
だからか、今のところ致命的な失敗はなし。要するに、男性社員には好かれ、女子社員には嫌われるという、典型的な礼だ。
そんな人が最近、目に見えてミスが目立つようになった。それも部長が関わるような案件な集中している。
「うーん、仕事のことですし。」
明らかにそうだとしても、部長にかまってほしくてわざとミスをしてるなんて、社会人として常識的に考えられなかった。
「そんな悠長なことしてると、かっさらわれるよ。」