あたしは人形じゃない…


「お前ん家どっち?」

「〇〇…」

「結構遠いな…」

「結構頑張ったんだけど門限過ぎちゃったし…付き合ってもらったのにごめんね」

「いや…別に…
送ってく」

「そ…そんなのいいよ…
あの…悠鈴くんがママに怒られちゃうから…


「なんだそれ」

これは話していいのか…

人生初のお友達になれるかもしれない…



あたしは話し始めた


「あたしの家ね?
男の子と遊んだりするの禁止なの…
門限も6時だし…」

「小学生かよ」

「守らないと怒られちゃうから…」

「お前はそれでたのしいんだ」

「へ?」

「お前はそーやって親に縛られて
それでも楽しいんだなーって」

「楽しくなんてないよ…
友達だってできないし…みんなみたいに遊びになんて行けない…あたしも本当はみんなと同じようにしたいよ…でもできない」

「そーか…
送ってくよ」


人の話を聞いていたんだろうか…


送らなくていいそう遠回しに言ったんだけど…


まぁ何かあってからでは遅いし…



御言葉に甘えて…



< 10 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop