あたしは人形じゃない…

それはあたしが小学校に入った頃…
おにぃちゃんとは、5つ離れてて…

あたしが小学生になった時にはおにぃちゃんは小学6年生だった…
周りの6年生はみんなお小遣いをもらって遊びに行ったり…好きな人ができた…なんて言ってた…



でもあたしの家でそんなことはしてはいけない…
おにぃちゃんは沢山悩んで沢山…泣いてた…



おにぃちゃんが中学生になって…
ケータイを買ってもらって…そしたらすぐに彼女ができて夜遅くまでデートとかをしてた…おにぃちゃんは幸せそうで…。


なのにママは怒ったの…

「私がケータイなんて持たせたからこんなふうになっちゃったのね?
彼女とはすぐに別れなさい!」

おにぃちゃんはすぐに別れた…


でも高校生になって…また彼女ができたの…
おにぃちゃんママに内緒でアルバイトしててね?あたしのお小遣いを稼ぐために…


聞いた話だと…

そのバイト先で彼女と知り合ったんだって…

おにぃちゃん幸せそうだった…でもそれも長くは続かなかった…

高二の夏…

おにぃちゃんと彼女の間に小さな命が新しく出来たの…


それにママは激怒しておにぃちゃんは高校をやめ家を出た…


未だに帰ってくることは無い…それから…

「あなたはおにぃちゃんみたいになっちゃダメ…お母さんのいうことを聞いてれば幸せになれるのよ?」って言われ続けてきた…


初めは
何でも「はい」って言ってたけど…中学に上がり…周りに彼氏や彼女が出来始めて…
デートなんてするようになって…休みの日にはみんなで遊びに行ったりしてた…


でもそれがあたしの家では許されないの…


あたしはみんなの輪に入ることが出来なくて…友達ができなかった…



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