あたしは人形じゃない…
「さようなら!」
呪文のような催眠術のような授業が終わり…やっと下校時間…。
「ひとりか…」
つい最近まで1人だったのに…
2人で変える幸せを知ってしまったからか…。
すごく寂しく感じてしまう…。
「はぁ。今頃。なにしてるかな?」
「なーに?1人?」
え?
こ…これを世にいう…ナンパですか?
「莉奈ちゃん!だよね?」
え?いや…ナンパは名前なんて知らないよね…?
「なに?
黙ってないでなんか言えよ!」
や…やばい…。
こういう時ってどーするの?
「ちょっとついてきてくれる?ね?大事な話しあんだよ!」
は?話?何を話すのよ!
「や…やめて…。」
「大人しくしろよ!」
なに?なんで?
なんでこの人達あたしの名前…。
「手は出したくないんだよね?
だから、大人しくしてくんねーかな?」
「やだ。はなし…て…」
「このクソガキ!」
「…いっ…。」
まさかこんなことになるなんて…思ってもなかった…。