最初で最後のラブレターを君に。
しばらく歩いて
家に着いた。
が、後ろを振り返ると母がいなかった。
悪い予感しかしない。
元々私の母は
自分を犠牲にして周りを守ったり
自分をとことん責めあげるタイプでより危険だ。
「お母さん?!」
来た道を必死で走り回り名前を呼び続ける。
そして走り回ってから約10分くらいした頃。
「涼香……?」
探していた人の声が背後から聞こえた。
何故か母は体にたくさんの
掻きむしった跡であろうものが付いていた。
心配より先に来た、怒り。
「お母さん……?何やってたの?!どこにいたの?!私……ずっと探したんだよ?!」
「あはは……お母さん、涼香が辛い思いしてるんだなって思ったらもう、止められなくて……ね?」
そう言って私に腕についている
痛々しい傷を見せる。
「もう……やめてよ……。」
涙が頬を濡らした。
ううん、濡らした程度じゃない。
もう頬を包み込むように涙が流れた。