君と、世界が変わる瞬間に。
次の日にはそれはなくなっていた。
「ふわぁあ〜」
隠すことなく大きな欠伸をしてから、時計を見ると、もう11時だった。
長々と寝ちゃってたな〜
と、思いながら私は朝ごはんか昼ごはんか、微妙な食事をとった。
ーピロンー
メールが来た。行儀が悪いのは承知の上で、箸で鮭のつまみながら携帯を開いた。
「えっ?!」
ポロッと箸から鮭が落ちるのと同時に私の口からもそんな言葉が零れた。
だって、まさか彼から連絡が来るなんて思ってもみなかったし、来るとしても《始業式っていつやった?》とかそんな事だろうと思っていた。
なのに…
《雨野さん今日暇か?》
まさかまさかのお誘い…の可能性がっ…。
なんだか昨日とデジャブ感はあったが、今はそれよりも返信が先だった。
《暇だけど》
期待はしてない風に返した。…いや、実際期待なんてしてないよ?…全然これっぽっちも。
ーピロンー
着信音とともに携帯をひらく。…それも決して、嬉しいとかそういう気持ちじゃなくて、急いで返信しないと悪いな、とかそういう気持ち。
《なら、一緒に動物園に行かへん?…兄ちゃんからチケット2枚もろうてな、俺仲良いやつおらへんし、それに雨野さん動物すきそうやし》
ブワワッとした。…ギュュゥってなった。…うまく言い表せないけど、胸がすごく高鳴って、ドキドキって言うより…ふわふわした感じ。
全身の血液が沸騰してる感じ。
私にはまだ知らない感情。