君と、世界が変わる瞬間に。











それからというもの、夕凪君とは週一で遊ぶようになった。誘うのはいつも夕凪君。どうして私を誘うんだろう、という疑問はあったけれど、それよりもただ嬉しかった。彼といる時間が、すごく楽しかった。




《それってもう、認めちゃえば?》


そのことを報告すると、瑠璃からはこんな不明な返事が送られてくる。


《なにを?》


と送ると決まって


《鈍感だなぁ》


と返ってくる。

私のどこが鈍感なんだろう、と考えては見るけど心当たりはない。そんなことを考えていたら、返信する前に瑠璃からもう1件送られてきた。


《今度は、空から誘いなよ。…今日の花火大会!》


花火大会?


《海沿いの!…今年は記念で、いつもより豪華らしいよ~。浴衣とか着てさ!》


《無理だよ!…私から誘うなんてできないし、そもそも花火大会、瑠璃と行こうと思ってたのに!》


《はーい、嬉しいけど無理!…今おばあちゃん家なんだぁ。だから、夕凪君ちゃんと誘うんだよ!》


えぇ~!そんな事言われても…っ。今まで私から誘ったことないし、しかも花火大会に浴衣なんて着ていったらすごく気合い入れてる人見たいだし…


《夕凪君、これからなにか予定ある?》


とりあえず探りをいれてみよう。


《ないで~!》


それじゃあまだ誰とも花火大会の約束はしてないってことだよね!


《良かったら、今日花火大会行きませんか》


「ーっ!!」


ーカチカチカチー


1文字ずつ消えていく。…なんか、自分から誘うの恥ずかしくて、無理。


ーブーブーー


《今日花火大会あるらしいんやけど、いかへん?》


うそっ!…向こうから誘ってくれるなんて…。……でも結局自分からは言えなかった。…意気地無しだな。


《行く》


《じゃあ5時にいつもんとこで!》


そういえば浴衣ってあったっけ?!

私はクローゼットを漁り始めた。部屋がものでいっぱいになるけど今は気にしない。そんなことよりも浴衣の方が大切だ。


「あっ!あったぁ…」


水色のストライプ柄の浴衣。…昔1度だけ着て、しまっておいたやつだ。…入るかどうか試しに着て見ると、ギリギリセーフだった。


「5時…」


それまでにいろいろ準備しないと!







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