君と、世界が変わる瞬間に。
ー…
ーカランー
ーカランー
下駄の音が響く。それとともに鳴るのは心臓の音。…ザワザワと祭り会場に近づくとともに速くなっていく。
「へ、変じゃないよね…」
髪はお団子にして、雫型のイヤリング。そして手には水色の巾着袋。一応、瑠璃にビデオ通話で見てもらって「可愛い!」とお世辞を言ってくれて勇気をもらった。
「…あ、雨野さんっ!」
ードキッー
「…夕凪…君…」
夕凪君も浴衣を来ていた。…いつもと感じが違って、すごくかっこいい。
「…浴衣着てきたんやな。よかった」
「なんで?」
「男だけ浴衣ってはずかしいやろ?」
そう言われると、思わず吹き出してしまう。
「…笑わんといてや」
恥ずかしそうにいう彼をみるともっと笑いが出た。
「…でも、かっこいいよ」
クスクスと笑いながら、思わずポロッと本音で言ってしまった。
「…雨野さんも、におうとる。可愛ええ」
ボンッ!!っと、爆発でもするかのように顔が赤くなる。…さいわい夕凪君は気づいていなくて「行こか~」と笑った。
でも、反則だよ。…そんな顔で、可愛いとか。
「雨野さん?」
「…え、あ!…行こう!」