君と、世界が変わる瞬間に。
君はいつもあったかい
「ふっふふ~ん!…やっと認めたかぁー!」
始業式の日となった。…学校へ早めに来て欲しいと瑠璃にメールし、半数の生徒しかいない教室へとやって来た。…わざわざ早くに呼んだのは、瑠璃にはどうしても直接言いたかった。
「…瑠璃は知ってたの?」
「え?」
「だって、認めなよって言ってたし…」
「あぁ、私には空と夕凪君が仲良かったから、半分くらいはからかいってのもあったんだけどね。…でもきっと空は近いうちに夕凪君のこと好きになるって言うのは確信してたかなぁ」
私が夕凪君を?…なんで。…きっと顔に出ていたんだろう、瑠璃はふふっと笑って答えた。
「夕凪君は、空を笑顔にできるから…かなっ」
「私を…?」
夕凪君が私を笑顔していた?…うん、でもそうかもしれない。彼といる時は楽しい。心地いい。嬉しい。ドキドキする。
…彼は、私を手を差し出してくれる。躓いても、転んでも、きっと裏切らない。だからなのかも。…だから…私が彼を信じられるし、信じてみようと思える。
もうその時点で決まってたんだ。…私が彼を…夕凪君を好きになることを。
「ははっ」
「なぁに空~」
「いやぁ、なんか…私が誰かを好きになる日が来るなんてなぁ~って」
そういうと瑠璃も笑った。