君と、世界が変わる瞬間に。







ー…


「朝先生に呼ばれてからずっとやってるけど…それどうしたの?」


事情を話していなかった瑠璃に、生徒会の仕事が回ってきたことを伝えると、前の席のイスをひっくり返して座った。


「瑠璃?」


「もぉ、言ってくれればいいのに!昼休みまでかかってたなんて…。っていうかすごい量…」


文句を言いつつ、ホッチキスで止めてくれるあたり、手伝ってくれるということなんだろう。


「へへ、ありがとう」


そういえば、昼休みに屋上行こうと思ってたけど…この分じゃ無理そうだな。

まあ、明日でもいいし。今日は諦めよう。


「……空、私今日弁当忘れちゃってさ。購買でパン買ってきてくれないかな?」


「え、あ。うんいいよ。なにがいい?」


「空が食べたいもの」


よくわからない返答だが、私はかばんから財布を取り出して席をたった。そしたら瑠璃が…


「20分くらいかかるだろうか、空のお弁当食べてるよ~」


へ?と口からはマヌケな声が出そうになった。そしてすぐにわかった。″20分″それって今から昼休みが終わるまでの残り時間。その間だ屋上に行ってこいってことだよね。

回りくどい言い方にクスッとしたあと、ありがとうと言ってから購買に向かう。


「サンドウィッチとオレンジを!」


買ったそれらの入っている袋を持って屋上へ急いだ。



ーガチャー


ーブワッー


暑い風が肌を包む。



「おっ、雨野さんや」



その一言でドキッとする私は相当やばいのかもしれない。


「どないした?」


「…今日は屋上で食べたい気分だったから」


夕凪君の隣に座ってサンドウィッチに貼ってあるテープを剥がす。

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