君と、世界が変わる瞬間に。
「もう9月やて。早いもんやな~」
「そうだね」
でも、夕凪君が転校してきてまだ2ヶ月ってことを考えると短いような気もする。
「そういえば、雨野さん…バイトあれからどうしたん?」
「あー…。辞めたんだっ」
「そっか。よかった」
まあ辞めたって言っても、一方的に「やめます」店長に言った感じだが。でも、店長もあのことがあるから反対はしてこなく一応今までありがとうとは言われたんだけど。
「そいえば、あの時はありがとう」
「ふはっ、ええって!……助けになれたんなら…」
最後にフッと夕凪君の取り巻く空気が変わった。それはすぐに戻ったけど、多分夕凪君には今も苦しんでいることがあるんじゃないかと思う。
前にもこんな感じ、あった気がする。
…きっと、夕凪君みたいに元気で周りを明るくするような人でも、きっと闇はあるんだ。
どんなに笑っても、どんなにはしゃいでも、その人が闇を抱えてない理由にはならない。周りにそれを見せないだけで、きっと心の中じゃもがいてる。
そんな人って、世界に数多くいるんだと思う。けれど周りは″強い″ってくくってしまう。心に秘める闇を隠すことが強いはずないのに。
「夕凪君」
「ん?」
私が、君の光になれるかな?
「なんでもない。…そろそろ教室に戻るね。夕凪君もちゃんと授業でなよ?」
なれたらいいな。
そうおもっていたのに。まだ私は過去に囚われたままだったことをきちんと理解していなかった。きっと私はだれかに依存しないと生きていけない。そんな人間だ。
それをこれから、身にしみることを…まだ私はしらない。