君と、世界が変わる瞬間に。
それからあっという間に2ヶ月の月日が流れた。11月、季節はもう冬になっていた。
もちろん、私と夕凪君の関係が変わった。…ということはなく、いつものように屋上で話したりする感じだ。…あ、でもひとつ変わったとすれば、メールのやり取りが増えたこと。
用事がなくても、くだらないことでメールをやりあって、家でも携帯を触る時間が増えた。
「おはよ~瑠璃っ」
「空っ!おはよん!」
「寒いね」
今日は雪が積もってるし、これからはコートとマフラーは必需品だ。
「ねぇ空!見た見た?!」
「え、何が?」
「夕凪君、遠藤君達と雪合戦してたんだよ!」
夕凪君が誰かとそういうことするの…珍しいな。
ーガラガラー
「わー、めっちゃ濡れたわ!」
「夕凪こそ俺にたくさん投げてただろ!!」
5人の男子が教室にゾロゾロと入ってきた。
「あれっ俺の席どこや?」
「お前全然教室こねぇからな!…確か、空の前で…今瑠璃が座ってるところだな」
「ほー…あれからまだ席替えしてへんのやな。まっ、そこ楽やからええけど」
確かに、ずっと席替えしてないな。…でも、やっぱり夕凪君と離れちゃうのは嫌だからしないでほしい。
「っていうか、乾くかなこれ?」
「ははっ、外干しとけば乾くんちゃう?」
「ばーか!カチコチになるぞ!」
なんか、夕凪君はすっかり溶け込めた…ってことなんだろうな。……すごいよね、ずっと教室に来てなかったのに1日でこんなに仲良くなれて。
まぁ元々第一印象はみんな、よかっただっただろしそれも関係しているんだろうけど。
「ふぇっくしゅっ!!」
「ぶはは!夕凪お前っ!!」
「急に寒うなってきた~。…雨野さん、カイロ持ってへん?」
急に話しかけられてビックリしてから、ポケットをあさり、カイロを渡した。
「なんだ夕凪、お前委員長と仲いいのか?」
「っていうか、なんか2人が話してんの…珍しいっていうか」
そうだっけ?…あ、そういえば夕凪君全然教室に来ないから私と話しているの周りの人からはわからないんだ。
「…あぁ、俺と雨野さんは大の仲良しやで!」
「なんじゃそりゃぁ!!」
大爆笑の中、コソッと瑠璃が耳打ちしてくる。
「見せつけますなぁ~」
「ち、違っ!」
夕凪君からすれば私はただの友達ってだけなのに。