君と、世界が変わる瞬間に。
「…っつーか!それよりも、寒ぃよ!」
「確かにな…」
男子5人は震えていて見てるこっちもすごく寒い気分になる。
「保健室にいったらドライヤーあるんじゃなぁい?」
瑠璃がそういうと、みんなは頷き合いながら保健室へと走っていった。…よほど寒かったんだろうなぁ~。
「…男子って、楽しそうでいいよねっ」
「うん」
もし夕凪君がクラスに馴染んで友達たくさんできたら、もう私とは話してくれなくなるんじゃないか。そんな考えが過ぎった。
「……嫌だな…」
「ん?空、なんか言ったぁ?」
「…ううんっ、なにも!」
独り占めしたいなんて、子供みたいだ…私。……みんなと仲良くしてほしいって思ってたのに、こんなこと思ってたら嫌われるかもしれない。
でも…きっと夕凪君のことを好きになる女の子はでてくる。…そんなのっ……嫌だ!
「どうしたの?空」
「…恥ずかしぃ」
「え?!」
こんなこと思ってるの。恥ずかしいな…。
夕凪君を含めた5人の男子は、授業が始まることには教室に戻ってきていた。
「乾いたの?」
「へへ、乾かへんかったわ~」
と、笑いながら震える彼に、苦笑した。
「…これ」
ポケットに入ってた貼るカイロと、膝掛けを渡した。うちの学校は授業をちゃんと出ていればそういうのは違反ではない。…まぁコートやマフラーはさすがにだめだけどね。
「…でも、雨野さん寒うなるんやない?」
「大丈夫だよ。今までで掛けてたし、それに…微かに暖房ついてるから」
そういうと夕凪君はお礼を言ってから、背中にカイロを貼り、膝掛けを膝にかけていた。
…って、今気づいたけどっ!さっきまで私の膝にかかってたのが、今は夕凪君の膝にかかってるってことだよね?!!
「温かいな~」
「ーっ!!!」
私の体温で温まった膝掛けがそのまま夕凪君に渡り、私の体温を夕凪君に分けていると思うと…っ!!…なんかっ…!
「どないした?」
「ななななんでもない!!」
平常心で!!