君と、世界が変わる瞬間に。
授業が始まってから、ずっと集中出来ない。それは、きっと前に夕凪君が座っているから。″好きな人″っていうのがおおきいけど、いつもはいない前の席に人がいるからっていうのも案外理由のひとつかもしれない。
「…んん…っ…それは…雪だるまや…。うん……ブロッコリーちゃうで……食べへんけどな……むにゃむにゃ…」
あぁ、それと…眠りについて寝言を言っていたりもする。…そこまで大きな声じゃないので、近くの人にしか聞こえないと思うけど、笑いそうになっちゃって、少ししんどい。
「……んぁ~…溶けてく……おにぎりが…水に……」
な、なんの夢を見てるの?!
……っていうか夕凪君の、隣の席の間宮君も笑いをこらえてるよ。
ちらっとみていたら、間宮君と目が合った。
「…面白いよね、彼」
コソコソっと笑いながら言う間宮君に共感しながら「だよね」と私も笑った。
「…それはうまいやろな~…」
寝言をいう彼を見てから、また2人で笑った。