君と、世界が変わる瞬間に。
「ところでさ、空は好きなタイプってある?」
「好きなタイプ?」
私と瑠璃は体育館の端っこに座っておしゃべりを始めた。
「まぁ空は好きな人いるだろうけど、実際こういう人が理想だなって」
理想かぁ…
「私は、私の味方になってくれる人…かな」
「味方?」
男子って怖くて苦手だけど、私のことを知って私を信じてくれる人。…いつだって、私をひとりにしない人。
「確かに、夕凪君はハマってるねぇ」
「あはははー……そういう瑠璃は…?」
「私は………特にないんだけどね、しいていうなら~気遣いがでいる人かな~」
「へぇ!なんか意外だね」
「ふふっ。…でもそれは理想だし、結局のところどうなるかはわからないんだろうな」
自分の理想の人ってなかなか現れないものだもんね。
ーピィィー
「あ、男子バスケやってる。夕凪君もいるよ」
ネットを挟んだ反対側のコートは男子が使っていて、瑠璃の言う通りバスケをしていた。
「夕凪君、なんで急に授業出始めたんだろうねぇ」
「…寒くて屋上出られないから…とか?」
「ありうる!」
雪積もってるし、屋上も寒いんだろうなぁ~。
考えるだけで震えてくる。
「ま、よかったんじゃない?…夕凪君もそろそろ出席日数がやばい感じだろうしさ」
「そうだね」
正直、夕凪君は勉強も苦手らしいし、せめて出席日数くらいどうにかしないと進級できないからなぁ~。私が3年生になっても夕凪君が2年生とかだったらしゃれになんないし。
ーピピィー
「あっ女子も集合だって!!」