君と、世界が変わる瞬間に。
ー…
「はぁ、疲れた~」
体育の後と言えど、冬はやっぱり寒いなぁ。
「雨野さーん!」
「ゆ、夕凪君!!」
急に笑顔で目の前に来られるとビックリしてしまう。…もしかしたら、さっき瑠璃とタイプの話してたからかもしれないけど。
「ほいっ!」
「え?!…あ、ちょっ」
夕凪君の方から飛んでくるものをうまくキャッチしてから、手の中が熱いことに気づく。
「な、なに?!……缶…?…コーンポタージュ?」
「カイロのお礼や」
それだけ言って彼は走ってどこかへ行ってしまった。
「…ふふっ、いいねぇ~」
「た、ただのお礼だし!」
「でも、嬉しいんでしょぉ?」
うぐっ…。やっぱり瑠璃にはバレてる…。…確かにお礼って言ってたし、ただの自販機に売ってるコーンポタージュだけど、夕凪君からくれたものだからすごく嬉しい。
「…あったかい……」