君と、世界が変わる瞬間に。
ーチリリ…ー
目覚ましがなると同時に止める。…私はその頃にはもうすでに起きていて、制服に着替え終わっていた。
「行ってきます!」
誰もいないこの家にいつもの挨拶をしてから家を出て、急いで駅にむかった。
…瑠璃の恋バナ聞きたいって思ってるから急いでるって自分でもわかってるけど、こんなにも落ち着かないなんて…子供みたいだな。
ーガラガラー
「あ、空ー!おはよっ」
「おはよう!」
「早速だけどね!聞いて!!」
私と瑠璃は教室でヒソヒソと恋バナを始めた。
「すごくかっこいい人なんだ!…顔もモデルなみにかっこいいんだよ!…それでニコッとした顔が本当に」
「ちょ、落ち着いてっ!一旦深呼吸ね」
「う、うん。…ふぅ。……まず、合コンに行った話から始めるね。…場所はカラオケだったんだけど、男女4人ずつ来てたの。」
カラオケかぁ。
「それで、とりあえずいろいろ話して、王様ゲームすることになったんだぁ」
王様ゲームって何?…とはとても言えなかったのでコッソリ机の下で検索すると…《ランダムに決まった″王様″の命令をランダムに決まった参加者に行わせるレクレーションゲーム》らしい。
「それでね、ある男の子が王様になって…『6番はその場で脱ぐ』っていう命令がでたの」
脱ぐ?!!
「6番私だったんだぁ、当然嫌でどうしようかって困ってて…そしたら彼がその王様に水をかけたんだ…」
水?!!
「…そ、それはすごい…」
「でしょ!…『そういうことするからモテないんだよ』って笑顔でいう彼に心撃たれちゃって!!…もちろんその男の子達も誤ってくれて、そのまま続いたんだけどね。」
「へぇ。…でもそういうのかっこいいね」
「うんっ。…それでねっメアド交換して、また会おうって話になったの!!」
あってその日にメアド交換?!
「いつ会うの…?」
「へへっ、今日!」
「今日か。良かったねっ」
「うん!…それでね、今週の土曜日も会う予定なんだけど、友達もつれてきなよって言われてるから空もおいでよ!」
今日は水曜日。明明後日?!
「無理だよ!!」
初対面の男子と会うなんてとんでもないし、それが瑠璃の好きな人ならなおさらだ。
「えー!…でももう約束しちゃったの!…お願い!」
「…でも……」
「どうしても好きになっちゃったんだもん!!まだ諦めたくない!…振り向いてほしい!」
「瑠璃…」
こんなに必死な瑠璃初めて見た。…ここで私が答えないでどうするの?…今まで私のためにっていろいろしてくれた。…そんな瑠璃が今私に頼み込んでるんだ。
「わかった」
「本当?!」
「うん」
「ありがとぉぉぉお!!」