君と、世界が変わる瞬間に。
「ごめん、こんなとこに連れ出して」
「ううん」
なにを言い出すのだろう、と思ったら急に彼はガバッと頭を下げた。
「え?!」
「ごめん!!」
「…えっと…よく…わからないんだけど…」
「俺…五十嵐悠太…」
五十嵐悠太?……まって…私知ってる。…この名前。
ドクン、ドクンと胸がなる。
『い…がらし……君…』
手が震えるのを感じた。
「思い出した…よね?……俺、あの時のこと謝りたくて!!」
『ギャハハハ!!…まじきもい!!』
「本当に…ごめん」
『とっとと消えろ!』
頭の中で鳴り響くこの声は誰…?
この声は……加藤諒太…
「…雨野?」
だめだ。なんだか視界がぼやけてきた…頭がグラグラする。意識が…遠のく。…
ーグラッー
「雨野?!!……」
私はそこで意識を手放した。