君と、世界が変わる瞬間に。
【放課後】
「空っ空っ!どう?!」
「わぁ、可愛い!」
瑠璃は化粧をして髪もいつもよりサラサラしている。
「へへっ、少しでも可愛い姿を見せたいもんっ!じゃあ行ってくるね!」
「行ってらっしゃい」
…本当に瑠璃は可愛いなぁ。…私もあんな風に夕凪君に…
って何考えてるのよ!!…はぁ。…夕凪君、今どこにいるんだろう。6時間目でてないし…屋上?なわけないよね。寒いし。
「…」
でも、行くだけ行ってみよっ!
ーギィー
おぉ、冬だから扉がいつもより硬いな…
「…夕凪君?!!」
「雨野さん」
「寒くないの?!」
まさか本当にいるとは…
「まぁ寒いけど…こんな時こそ写真とらへんとな~。」
世界はいつも違うから、か…。
「私も…居ていい?」
「…ええけど、寒いで?」
「平気」
マフラーとコートを着ているし、少しくらい我慢すれば大丈夫だろう。…寒さよりも、今は彼と居たい。
「…雪、降りそうだね」
「ほんまやな~。…降ったら降ったで良い写真が撮れそうっちゅうのに」
それはまるで降ってほしいかのような発言で、少し笑ってしまった。