君と、世界が変わる瞬間に。
ー…
「瑠璃、おはよう!」
「空ぁぁ!!おはよっ!」
私は席に座ると、瑠璃はまだ来ていない夕凪君の席に座り後ろを向いた。
「明日、大丈夫そう?」
「うん。大丈夫だよ!……昨日もあったんでしょ?どうだった?」
「…へへ、すごく優しいし、笑った顔が素敵なんだぁ!……エスコートし慣れてるしきっと彼女とかたくさんいたんだろうなぁって言ったらね!『でも、瑠璃ちゃんが1番良いかも』って言ってくれたの!もちろん、本音じゃないかもしれないけど嬉しくて!」
「付き合えるのも時間の問題かもねぇ」
そういうと瑠璃は顔を赤くした。
「それよりも!夕凪君とはどうなのよ!」
恥ずかしさを隠すためか、瑠璃は急に私に話題をふった。特に進展があったわけでもないし、言うことない。
「えー、つまんない!」
「そんなこといわれても。……でもまぁ、夕凪君と仲良くしていられるだけでもいいって言うか…」
「あまい!あまいぞ!!そうこうしてるうちに、他の子が夕凪君を好きでアタックしていったらどうするの?!屋上にまでこられたら?!」
想像したらすごく嫌。屋上で夕凪君と会えるのだって私だけの特権だもん!もし夕凪君が私以外の女の子に笑顔で話してたら、なんだかもやもやするし。
「…嫌ならもっと頑張らないと!」
「うん」
瑠璃の言う通りだ。私もっと、積極的にいかないとためなんだよね。
ーガラガラー
「あ、夕凪君来た。じゃあ私席戻るね!」
「うん」
瑠璃が席に戻ると、夕凪君が替わるように席に座った。その姿を見ていたら急に夕凪君が振り返った。
「雨野さん、風邪大丈夫か?」
「あ、うん!大丈夫」
「…こないだはごめんな。俺が屋上で雨野さん話止めとったから。……あんまり無理してこんでもええで?」
「ううん!風邪引いたって大丈夫!!それでも行きたいの!」
「そうか。なら次はもっと暖かくしとこう!」
そう言って2人で笑った。
次ってことは、また来ていいってこと。それがすごく嬉しくてたまらない。
「そういえば…兄貴から電話いった?」
「うん!きたきた。今日行くんだぁ」
「おぉ、俺も見に行ったんやけど…まだ中スッカラカンやったわ」
「そうなんだ」
そういえば夕凪君は晴人さんのところでバイトしたいって思わないのかな?
それを聞いてみると
「俺、新聞配達のバイトしてんねん。やから別にバイトしたいって思わんし、写真撮りたい時にとりにいけへんもん」
まあ確かに。……って、夕凪君新聞配達してたんだ。なんだか意外だな…。
「まぁ、バイト頑張ってや」
「うん、ありがとう」
そして夕凪君が前を向いたと同時に古田先生が教師に入ってきて、チャイムがなった。