君と、世界が変わる瞬間に。
ーガッシャーンー
ある日の移動教室、その帰りに階段から変な音がした。
そこには人だかりが出来ていて、階段の上には中野さんたちを含めた4人と、下に坂口さんがいた。
「ギャハハ!」
見た感じだと、上から中野さん達が水をかけたみたいだ。
「え、ちょっと…どうしよぉ空ぁ」
瑠璃がそんなことを私に言うが、私にとっめそれどころではなかった。
「地味子のくせに!」
「それな〜!!」
ドクンッと胸がなる。
「ほんと、視界から消えてって感じ〜」
その音は次第に大きくなる。…激しく鳴るその音が周りの人にも届くんじゃないかと思うくらい…。
「委員長止めた方がいいんじゃね?」
コソッとクラスの子達が私に耳打ちしてくる。
「空?」
なんで私に止めろっていうの?…自分で止めてよ。…私に坂口さんと場所を交代しろって言ってるの?
クラスの子の目が私に来たり、坂口さん達の方に行ったり来たりする。
「どうすんだよっ…」
全て置いて逃げ出したい。何も知らない。見てない。私は悪くない。そう言いたい。
止めたら私が今度はあそこにいるかもしれないっ。中野さん達が怖い。…「やめなよ」って心でどんなに言っても、口にしないと共犯者扱い。
怖い、つらい、痛い、苦しい、恥ずかしい。…されている側の気持ちも、今の私も変わらない。何ひとつ変わらないっ。
もし変わったとするなら、それは…みじめであるかないかだけ。
私は…そんな私が嫌い。