君と、世界が変わる瞬間に。
「わぁ〜!ちょうどうちのクラスの男子が試合してる〜!!…あっ空!夕凪君いた!」
本当だ。…居て当然なんだが、彼がそこにいる風景はなんだか変な感じだった。…いつも屋上で景色を撮ってたし、授業もサボるほどだ。
だけど、今の彼は体操服を汚しながらも野球に熱中している。
「夕凪君、楽しそうだね」
「…うん」
もう写真なんて撮っていないで、そうしていればもっと充実した日々になるんじゃないだろうか。
そう思ってから、それはないか、と笑みを漏らした。
「…あれ、夕凪君どこ見てるんだろう?」
時折空をチラってみる彼は、私に…やっぱり写真を撮っているほうが好きなんだろうな…と思わせるから。
「…今日の空は、なんていう空かな…」