君と、世界が変わる瞬間に。
ーキーンコーンカーンコーンー
「…ぅ…」
「あ、空起きた?!」
「あれ、瑠璃?…もう1限目始まる〜?」
「あはは、もうすぐ2限目」
え?!2限目?!ってことは、1限目寝てたってこと?!…最悪だ…。でも、先生に起こされなかったし…どうしてだろう。
「1限目先生って…」
「古田先生だったよ〜」
担任の古田先生は寝ている生徒は容赦なくたたき起こす。…成績も寝欠にするはず。
「あのね。夕凪君がかばってたよ」
「えっ…?」
「…『いつも先生学級委員長だからって雨野さんにたよりすぎなんちゃうか?…こういう時に借り返しとかんといつか愛想つかされるで〜』って!そしたら先生"確かに頼りすぎてたし…今回だけって言っておけよ"って。…だから先生きっと、成績には入れないと思うよ」
夕凪君が?…授業でてたんだ…。…それに、かばってくれるなんて。
「…夕凪君って、空のことよく見てるよね」
「そう?」
「うん。…確かにみんなも、委員長だからって空に頼りすぎてるとこあったかもって…」
そんなの、全然いいのに。それが私の存在意義だし…。
……でもなんだろう。胸のあたりが少しポカポカしたこの感覚は。…
「…お礼、言っておかないとな」