君と、世界が変わる瞬間に。
「…雨野さんは、休んどるか?」
「…え…?」
「ここ最近顔色悪いし、辛そうやったから。…1時間目も寝てたの…きつかったんやないん?」
そんなこと…ない…。
「なんでメールしてくれんの?」
メールしてどうするの…?
「頼ってくれって…言ったんやん」
頼る?…そうしたら誰かが助けてくれる?
「雨野さんは…」
「やめて…っ」
「雨野さんはいつも苦しそうや!」
「うるさい!!!」
「…なんで話してくれへんの?!…なんでも話せってわけやない、でもっ。…つらいとか…助けてくれとか、なんか言わへんと伝わらん!!!」
「…誰に…話すの…?…」
誰もいない。私には。友達も家族も…居るけどいないの。…そんな私は…だれにそんなことを…っ
「俺や!!!…俺がおる!!!」
「ーっ!…夕凪君に話したって何も変わらない!!助けてっていって助けてくれるの?!つらいっていって取り除いてくれるの?!!…私の気持ちは誰にもわからない!!!!!…ましてや夕凪君には…絶対に…わかるわけがないっ!!!!」
私はキッと夕凪君を睨みつけたあと、急いで屋上をでた。
「…あ、…最悪っ…」
頬には涙が伝っていた。…こんな姿じゃ教室には行けないし、保健室に行ったら先生にどうしたら聞かれてしまう。
しかたない。トイレに行って、涙が止まるまで待とう。
ードンッー
やばっ…人がいた?!
「…あたたー。すみませ…って空?!」
うそ?!…瑠璃?!
下を向いている私には声で判断する仕方かった。
お願い、涙にきづかないで。その想いはあっけなく消えた。
「え、空どうしたの?!!」
「なんでもないよ…」
「なんでもなくなんかないよっ!…何があったの?!」
「瑠璃には関係ないっ!!」
ーバシッー
瑠璃が私の肩に手を置こうとして、思わず振り払ってしまった。
「そ…」
「…っ」
耐えられなかった。…ごめん、それすら言わずに私は瑠璃の目の前から姿を消した。
行く場所なんて決めてなかった。学校を飛び出して、ただただ走る。…息が苦しくても、涙が止まらなくても、足が動く限り走った。