君と、世界が変わる瞬間に。
空は濁り、黒色に
次の週になっても、彼は学校には来なかった。…きっとまだ風邪が治っていないんだろうな。そんなことを思いながら1日の授業を終えた。
「空〜!もうすぐだねっ!」
ホームルームが終わってからみんなが教室から出ていくなか、瑠璃はわくわく気に私にそう言った。
「ごめん、何かあったっけ?」
そのセリフは、他の生徒からすれば相当おかしなことだったろう。現に、瑠璃は驚いた顔しているし。
「夏休みだよぉ!!金曜日終業式だよ!!」
そう言われてハッとした。…今日は月曜日。もう1週間もないほど、夏休みは迫っていたのだ。
夏休みはいいよなぁ…いろいろなこと考えなくていいし、気も使わなくていいし、自分が自分出いられるから。
あ、でも…ひとつ例外があった…。…
それは、私が今から向かおうとしていたバイト先。
「夏休み、遊ぼうねっ!」
「うん!」
でも、こんなふうに瑠璃とした約束のおかげできっと頑張れる。
……そんなふうに思っていた私が甘かったことに、今はまだ気づいていなかった。…