君と、世界が変わる瞬間に。








ー…



「空ちゃぁん、早くこれもってってぇー」


「その次はこっちねー」


今日は嫌な先輩が2人と、店長と私がバイトのシフトに入っていた。

私は前よりもバイトが憂鬱となっている。

それは、店長が変わったことだ。…前の店長は先輩達に注意してくれていたけど、今の店長は何も言わない。それどころか、なんだか私を見る目が気持ち悪い。…ふたりっきりになると、それは増す。


「空ちゃん、スタイルいいよねぇ」


ハァハァと、口で息をする店長に吐き気がした。


「えっと、ありがとうございます。…でもあの…これ持っていくので…」


大丈夫。きっと、店長なりのコミュニケーションだろう。…そう、きっとそう。

私は私に言い聞かせた。

ここは時給がいいから、辞めたくない。

耐えろ、耐えろ、耐えろ。…私はそう思うことしか出来ない。






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