君と、世界が変わる瞬間に。
「おはよう」
朝、私は屋上へは向かわずに1本遅い電車で直接教室に来た。
「やっと明日から夏休みだねぇ!」
「うん。早いなぁ」
来年は受験生だから、今年は多くのことを出来たらいいけど……でも別に特別したいこともないし。
なんとも言えない気分だ。
「…っていうか!…空、夕凪君と話せたの?!」
「……話せてない」
「もう明日から会えないんだよ?…いいの?」
よくない。…よくないけど……
「…なんていえばいいかわかんない」
「そのままでいいんだよ。空の思っている事を、そのまま。…きっと夕凪君はちゃんと聞いてくれる」
…瑠璃は、すごい。…私が迷っている時、瑠璃はいつも私に道を示してくれる。
話を聞いてくれて、励ましてくれて。
親友なんていらない。友達なんて必要ない。そんな風に思ってた私に言いたいっ。…今、こんなに素敵な親友がいるんだよって。…だから諦めないでって。……負けないでって。
…そんな風に思えたのは瑠璃と……夕凪君のおかげだ。
それをきちんと夕凪君に伝えたい。たった一言、「ありがとう」って…言わせて欲しい。
「…夕凪君、来るといいね」
「うん」
もし、今日も夕凪君が休みだったとしても、私はもう逃げないっ!…メールでもしてやる!!