君と、世界が変わる瞬間に。











…とはいったけど…


「えー、夕凪は…今日も来てないな?」


まさか本当に休みだなんて…!…実際にそうなると、メールするのも勇気がいる。…っていうかそれ以前に、初メールかもしれない。


「はぁ…」


おもわず出てしまったため息は、はかなく消えていった。



ホームルームが終わると、終業式のためにぞろぞろとみんなが席をたちはじめた。私と瑠璃もそんな人の波に混ざって体育館に向かった。


ーカタンッー


自分の座る位置においてあるパイプ椅子に腰をかけ、くしゃっとなったスカートを整える。


「あちぃ」


誰かがそう言った。

確かに暑い。…今日は気温も高い上に体育館にはクーラーが点いていない。…しかも窓から入ってくる風は生ぬるくて意味をなさない。


「…夏休みも誰か怪我をすることなく………」


終業式が始まっても、暑さは変わらない。むしろ、風が弱まり暑くなる一方だ。

暑い。早く終わらないかな…。…先生の話長すぎだよ。

きっと、みんなも私と同じこと思っている。



< 79 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop