君と、世界が変わる瞬間に。
「はぁ…はぁ…」
なに、今日すごい忙しい…。あ、どこの学校も終業式だからか…。金曜日だし……。
「雨野さーん、これももっていってー」
「はい」
さすがに今日は、いつもより動いている先輩。…けれど私に仕事を押し付けすぎじゃない?
まぁ、思っていても素直に持っていくけど。
ーコンコンー
「失礼します、唐揚げお持ちしました」
唐揚げを置いて部屋を出る。…すると、今度はレジにお客がいて、誰も対応していなかった。
「お待たせして申し訳ありません。っお会計…ですね?」
「ッチ、おせぇよ!」
「申し訳ございません!!」
後ろから微かに聞こえる笑い声。また先輩たちは中でおしゃべりタイムか…。
「…えっと、4名様で、4320円です」
「…あーこれで割引してー」
バサッと渡された割引券。見てみると有効期限がきれていた。
「申し訳ございません、こちらの割引券…有効期限がきれておりまして…」
「はぁ?…有効期限くらいいいだろ!」
「ですが、この券は1年以上前のものでして…」
「知るかっ!とっとと会計しろよ」
…どうしよう……。
「ですが、割引は出来なくて…」
「あぁん?客に対して敬いがたりねぇんじゃねぇか?」
先輩っ……
「しょ、少々お待ちくださいっ!」
バタバタとレジの後ろのドアでて廊下をはしり、先輩たちのいる休憩室に向かった。