君と、世界が変わる瞬間に。
ー…
ーチリンチリンー
「ありがとうございましたー!」
ふぅ、もうお腹いっぱい。…こんなに楽しく食事したの久しぶりだ。…いつも、家で1人で食べてたから…
「駅…行こか」
「うん」
2人は駅に向かって歩き出した。
「なぁ、雨野さん」
「ん?」
「…今日終業式やったん?」
「そうだよ?」
「ならもう夏休みか!!」
電車の中でキラキラした目で立ち上がった夕凪君。
「あ、かんにんやで。…夏休み……雨野さん遊び行こうや!」
「え…?!」
「めっちゃメールするさかい、出かけようや」
嬉しい。単純にそう思った。
「うん」
それから夕凪君は、行きたいところとかをたくさん口にした。海、森、山、公園、それは全部写真を撮るためだろうなと思いつつ、頷きながら聞いた。
「あ、夕凪君のとこの駅ここだよねっ!…じゃあまた…」
「送る」
え?今…送るって言った?…言った…よね?!
「いやいや!!いいよいいよっ!」
「女の子やろ?…危ないねん。夜道は」
「…っ。…あり、がとう」
女の子扱いしてもらえて嬉しい、そしてなんだか恥ずかしい…。