君と、世界が変わる瞬間に。









ーチリリリリリリリー


ーポチッー


…休日だと言うのに、いつも通り目覚ましをかけてしまっていた。


「はぁ…」


朝っぱらからため息をついて、パジャマ姿のままリビングへ降りた。

当然、いつものことながら、お母さんもお父さんもいない。


「…パン食べよ…」


トースターでパンを焼き、ジャムを塗って食べる。…コーヒーを片手にテレビを見ながら、ゆっくりとした朝食。

最後の一口を口に放り込み、コーヒーで流し込む。ゴクッと飲み干せば、あとは着替えだ。

正直、一日パジャマ姿でいてもいいのだが、だらしないのと誰か来た時に困るので一応着替えは済ませておく。


「…ふわぁぁあ〜っ……夏休みって、学校行かなくていいから楽だけど、なんだか暇だな…」


外ではミーンミンミン…、と鳴く蝉の声が響いていて、それは少しぼやけて家の中にまで聞こえる。

きっと、外は暑いんだろうな…。それは容易に想像できた。





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