絶望を超えたその先には
キャーキャーという歓声はまだおさまらない。
先生も昨年まで芸能コースが無かったためか、こんな状況に慣れてなくオロオロしている
明後日は、新一年生の入学式なのに…、大丈夫か?蓮がこんなに人気で
もう明後日も収集つきそうにないじゃん…。
そんなことを考えながら、やっと体育館の隅っこに来れた
みんなは蓮に釘付けで私の存在なんか気づいてない。
「…ふぅ」
私がホッと一息していると、蓮に私の居場所がバレた…!?
ぎゃっ!絶対怒ってる…!!
そう思って色々と覚悟し、蓮の方を見ると…、
(大丈夫か?)
口パクで伝えてきた蓮
怒られると思っていた私は、心配してくれたことにびっくりした
びっくりした…というか、心があったかくなった気がした
(大丈夫)
そう、蓮に言いながら顔が緩んでいるのがわかった
不意の優しさが相当嬉しかったらしく、顔の表情筋が緩みまくっている私。