絶望を超えたその先には



「ぇ…なんで?」









かすれていた私の声に余程怖かったのか…なんて自分自身に呆れる








「だって、女優の時の菜乃は芝居してたじゃん。普段の菜乃は芝居はしてなくって、菜乃の素でしょ」












「…っ。」








「だから菜乃の素の時はありのままの自分で、お芝居で隠せてたことも全部見せてもいーんだよ」















そのさっちゃんの言葉に私には考えたこともない考え方だった。









「ありがと……っ…う。やっぱり私、さっちゃん好きだー!」












うっかり涙が出そうになったのは秘密









改めて、久しぶりに大切な人が1人増えたなぁ













「ふっ…何言ってんの?さっさと教室行くよ」







「はいっす!一生ついていきます!!」













さっちゃんはまた呆れたように笑って私の手をひいてくれた







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