なないろ
絵が、好きだ。
絵を描くことは、私にとっての心の安定剤。
ひとつの音だけで誰かを感動させるのは難しいが、たくさんの音を並べればそれは音楽となり人びとの心を震わせる。
ひとつの文字だけではほとんど意味を持たないが、いくつかの文字を綴ればそれは言葉となって相手に思いを伝えることができる。
絵も、同じ。
ひとつの線、ひとつの色。それらを繋げて重ねて人物画や風景画を作り出す。それは、時には人の心を動かしたりもするだろう。
自分の気持ちを筆にのせる。それが線となり形となる。
喋ること、着飾ること、歌うこと。自分の気持ちを表現する方法はいくらでもある。
私にとってのそれは、絵だった。
ただ、それだけだ。