なないろ
彼の投稿を少し遡って見てみる。
そこには前向きな言葉や、今日のような悲痛な思い。
私と同じ、迷ってるんだ。
迷ったけれど。指は震えていたけど。
イチの今日の投稿に、イイね、を押す。
ふぅ。
全身の力が抜ける。
「ねーちゃん、ご飯だってよ!今日はオレの好きなハンバーグ〜」
浮かれた空の声がドアの外から聞こえてくる。
少し前までは、何も考えず急に私の部屋に入って来たりしてちょっとイラッとしたけど、最近はそんなこともなくなった。
彼は彼なりに、成長してるのかもしれないな。
「はーい」
私だってハンバーグ好きだし。
すぐに食卓へ向かおうとしたが、ちょっと思い立ってもう一度アプリを開く。
『人の気持ちは上書きされて、暖かくなるのかもしれない」
そう呟いて画面を閉じる。
きっと、イチは本当の気持ちに蓋をしてしまっている。そんなこと、誰でもやっていることだと思う。でも、今の彼にはそれが苦痛なのかもしれない。
そう、今のイチは真っ赤な眼球。
そりゃ、しんどいだろうな。
それを、また上書きできたら。
自分で上書きをするか、誰かがその苦痛を慰めてくれるか。
でも本当の彼は、花になんかなりたいわけじゃない。ハートの、自分の気持ちに戻りたいだけだ。それが難しいから、悩んでる。
せめて、イチが暖かい花になれますように。
そこには前向きな言葉や、今日のような悲痛な思い。
私と同じ、迷ってるんだ。
迷ったけれど。指は震えていたけど。
イチの今日の投稿に、イイね、を押す。
ふぅ。
全身の力が抜ける。
「ねーちゃん、ご飯だってよ!今日はオレの好きなハンバーグ〜」
浮かれた空の声がドアの外から聞こえてくる。
少し前までは、何も考えず急に私の部屋に入って来たりしてちょっとイラッとしたけど、最近はそんなこともなくなった。
彼は彼なりに、成長してるのかもしれないな。
「はーい」
私だってハンバーグ好きだし。
すぐに食卓へ向かおうとしたが、ちょっと思い立ってもう一度アプリを開く。
『人の気持ちは上書きされて、暖かくなるのかもしれない」
そう呟いて画面を閉じる。
きっと、イチは本当の気持ちに蓋をしてしまっている。そんなこと、誰でもやっていることだと思う。でも、今の彼にはそれが苦痛なのかもしれない。
そう、今のイチは真っ赤な眼球。
そりゃ、しんどいだろうな。
それを、また上書きできたら。
自分で上書きをするか、誰かがその苦痛を慰めてくれるか。
でも本当の彼は、花になんかなりたいわけじゃない。ハートの、自分の気持ちに戻りたいだけだ。それが難しいから、悩んでる。
せめて、イチが暖かい花になれますように。