私の本音は、あなたの為に。
「おい、安藤!」
俺-五十嵐 怜音-は、安藤の後を追い掛けた。
何故、急に安藤が自分の感情をあらわにしたのかは分からない。
けれど、彼女の目は恐ろしい程に濁っていて。
きっと、俺の一言が安藤の触れてはいけない場所に触れてしまったのだろう。
その一言が何か、今は分からないけれど。
安藤が図書室を出ていってしまい、俺は立ち止まった。
「何でだよ…」
(褒めただけなのに…)
そう呟きながら、俺はため息をついて何気なく本棚の方を見た。
視界に映るのは沢山の本、POP、そして大量の文字。
その途端。
「っ…!」
自分でも、顔が青ざめていくのが分かった。
大量の文字が、本の中から溢れそうな程の字が。
俺に、襲い掛かってくる。
(嫌だ…!)
そう思うのに、俺は本棚から目を逸らせなくて。
本の題名も、作者名も。
そのほとんど全ての文字が反転し、移動し、にょろにょろとうごめく。
「ひっ……!」
忘れていたいつかの感情が、身体中を駆け巡る。
文字を文字として認識出来ない悔しさと、それによる猛烈な恐怖。
(怖い、怖い、怖い……)
俺-五十嵐 怜音-は、安藤の後を追い掛けた。
何故、急に安藤が自分の感情をあらわにしたのかは分からない。
けれど、彼女の目は恐ろしい程に濁っていて。
きっと、俺の一言が安藤の触れてはいけない場所に触れてしまったのだろう。
その一言が何か、今は分からないけれど。
安藤が図書室を出ていってしまい、俺は立ち止まった。
「何でだよ…」
(褒めただけなのに…)
そう呟きながら、俺はため息をついて何気なく本棚の方を見た。
視界に映るのは沢山の本、POP、そして大量の文字。
その途端。
「っ…!」
自分でも、顔が青ざめていくのが分かった。
大量の文字が、本の中から溢れそうな程の字が。
俺に、襲い掛かってくる。
(嫌だ…!)
そう思うのに、俺は本棚から目を逸らせなくて。
本の題名も、作者名も。
そのほとんど全ての文字が反転し、移動し、にょろにょろとうごめく。
「ひっ……!」
忘れていたいつかの感情が、身体中を駆け巡る。
文字を文字として認識出来ない悔しさと、それによる猛烈な恐怖。
(怖い、怖い、怖い……)