私の本音は、あなたの為に。
再会
第2章
私と五十嵐の間に小さな亀裂が入ったあの日から、1週間程が経った。
6月の上旬。
私達は、お互いとはほぼ話さないまま1日を過ごす事が多くなった。
いや、五十嵐は私とコミュニケーションを取ろうと、積極的に私に話しかけてくれていた。
「安藤、おはよう!」
そう言ってくれたり、
「安藤、まだ怒ってる…?」
時には、心配そうな表情でそう尋ねてきたり。
けれど、私は、
「……大丈夫だから」
「……放っておいて」
そんな、つっけんどんな態度しか取れなかった。
まだ、あの時のリアルな恐怖が拭い取れなくて、怖かった。
そんな中、席替えが実施された。
もちろん、五十嵐と私は席が離れた。
私は今の席とほとんど変わらないけれど、五十嵐は窓側の1番後ろの席に移動しざるを得なくて。
どうやら、五十嵐は隣に座る女子には自分の視力の事を話していないようで。
私が授業中に後ろを振り向くと、彼は大体誰かに助けを求める様な目をしていた。
席が1番後ろという事も重なり、余計に字が見えないのだろう。
けれど、誰も五十嵐を助けようとしなくて。
もちろん、私でさえも。
(五十嵐、大丈夫かな…?)
そう思っても、結局はまた何か言われるのが怖くて、尻込みしてしまう。
6月の上旬。
私達は、お互いとはほぼ話さないまま1日を過ごす事が多くなった。
いや、五十嵐は私とコミュニケーションを取ろうと、積極的に私に話しかけてくれていた。
「安藤、おはよう!」
そう言ってくれたり、
「安藤、まだ怒ってる…?」
時には、心配そうな表情でそう尋ねてきたり。
けれど、私は、
「……大丈夫だから」
「……放っておいて」
そんな、つっけんどんな態度しか取れなかった。
まだ、あの時のリアルな恐怖が拭い取れなくて、怖かった。
そんな中、席替えが実施された。
もちろん、五十嵐と私は席が離れた。
私は今の席とほとんど変わらないけれど、五十嵐は窓側の1番後ろの席に移動しざるを得なくて。
どうやら、五十嵐は隣に座る女子には自分の視力の事を話していないようで。
私が授業中に後ろを振り向くと、彼は大体誰かに助けを求める様な目をしていた。
席が1番後ろという事も重なり、余計に字が見えないのだろう。
けれど、誰も五十嵐を助けようとしなくて。
もちろん、私でさえも。
(五十嵐、大丈夫かな…?)
そう思っても、結局はまた何か言われるのが怖くて、尻込みしてしまう。