私の本音は、あなたの為に。
「でも…私がお兄ちゃんになるのは、家の中だけって決めているから…。それなのに学校でも言われたから、“私って相当男っぽくなっちゃったんだな”って思っちゃって……」


いや、実際の私はこれ程簡単にこの事を考えていない。


もう、それは嫌という程悩んだ。


それのせいで、彼と接するのが怖くなった。


その結果、図書委員会の係が出来なくなってしまった。


五十嵐には言っておいたけれど、それでも怖い事には変わりがないから。



それらを全て話し終えた時、私の中には軽い解放感があって。


それは、花恋に同じ悩みを打ち明けた時と同じ。


大ちゃんは、眉を寄せて考え込んでいた。


「うーん……俺も、それはどう対処すればいいかきちんと分からないけど」


私は、うんうんと頷く。


「でも、1回きちんと話し合った方が良いかもしれないね」


「うん…」


私は曖昧に頷いてみせる。


「だってさ、優希ちゃんも自分は女子なのに男子に見られるのは嫌な訳でしょ?」


大ちゃんは、顎に左手を当てた。


「でも、やっぱり優希ちゃんは女子だし…。嫌なら嫌って、はっきり言わないと駄目だよ」


男子にはね、ストレートに言わないと通じないから!、と、彼は得意げに言った後、自分の言った事に吹き出していた。
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